BitMEXからの出金手順 — 一度の取り違えで資金が消えないように

出金そのものは5分で終わります。事故が起きるのは操作ではなく準備の段階です。このページは「送金ネットワークの取り違え」という最も高価で最も一般的な失敗を潰すことを目的に、順序を固定した手順書として書いています。

49
19 時間
16
51
先に読む1行

送金元で選ぶネットワークと、受取先が待っているネットワークは、文字単位で一致していなければなりません。アドレスが正しくてもネットワークが違えば、その資金は取り戻せません。

いつまでに終わらせるべきか

公式発表では閉鎖後もログインと出金は可能とされています。ただし「可能」と「急がなくてよい」は別の話です。閉鎖後に残高を残しておくと、月次でUSD50相当または年率1%のいずれか大きい方が差し引かれます。加えて公式は出金需要の増加にともなう遅延と、移行期間中の追加審査の導入を予告しています。

出金を終えるべき時期の目安
時期状態推奨
〜2026年8月26日通常取引が可能ここで終わらせるのが最善。板が厚いうちに建玉を閉じ、端数も整理できる
8月26日〜9月23日決済と出金のみ可能。ただし出金の混雑と審査遅延を見込む
9月23日以降出金のみ手数料が発生。金額が小さい口座は目減りが早い

← 横にスクロールできます →

日本時間への換算
  • 新規建玉の停止 — 2026年8月26日(水)13:00 JST
  • 全サービス終了 — 2026年9月23日(水)13:00 JST
  • UTCとJSTの差は9時間。UTC 04:00は同日の13:00です

出金前のチェックリスト — ここを飛ばすと後で詰まる

出金画面を開く前に、次の4点を片付けてください。特に2番目と3番目は、期限が近づいてから気づくと打つ手が限られます。

  • 建玉がゼロであること。証拠金として拘束されている分は出金できません。未実現損益がある状態では出金可能額が想定より小さく見えます。
  • 端数が最低出金額を上回っていること。最低出金額を下回る残高は申請自体が通りません。まだ取引できる期間のうちに、出金可能な単位へまとめておく必要があります。
  • 二段階認証が手元で使えること。認証アプリを入れた端末を機種変更していないか、バックアップコードが残っているか。ここで詰まると復旧に日数がかかります。
  • 登録メールアドレスが受信できること。出金にはメールでの承認ステップがあります。古いアドレスのままだと承認できません。

サブアカウントを使っていた場合は、それぞれ独立して確認してください。メイン口座だけを見て「出金完了」と判断し、サブアカウントに証拠金を置き忘れるのは実際によくある取りこぼしです。閉鎖時にステーキング中のBMEXトークンは自動的にアンステークされて口座に戻るため、これも出金対象として数える必要があります。

ネットワークの取り違えを防ぐ — このページで最も重要な節

不可逆な失敗

USDTのTRC-20アドレスにERC-20で送った資金は、ほぼ確実に戻りません。逆も同じです。取引所のサポートに問い合わせても、別のチェーン上に存在するアドレスへの送金は技術的に復旧できないのが原則です。「アドレスをコピペしたから大丈夫」は誤りで、アドレスの正しさとネットワークの正しさは別の条件です。

同じ通貨が複数のチェーンで流通しているのが混乱の原因です。USDTを例にとると、Ethereum上のERC-20、Tron上のTRC-20、Solana上のSPLなど、それぞれ別物として扱われます。見た目のアドレス形式が違う場合は送信前に弾かれることもありますが、形式が似ているチェーン同士では警告なしに送信が通ってしまいます。

確実な確認方法

  1. 受取先の入金画面を先に開く 送金元ではなく受取先から始めます。通貨とネットワークを選択した状態でアドレスを表示させ、その画面を閉じずに残します。
  2. ネットワークの表記を声に出して読む 「USDT、TRC-20、Tron」のように、通貨・規格・チェーン名の3つを確認します。頭の中で読むより、実際に読み上げたほうが取り違えに気づきます。
  3. 送金元の選択欄で同じ3つを揃える BitMEXの出金画面で通貨とネットワークを選び、受取先の表記と一字一句同じであることを確認します。表記が違う場合(例:受取側が「Tron (TRC20)」、送金側が「TRC-20」)は、チェーン名で一致を判断します。
  4. 一致しないときは送らない 受取先が対応していないネットワークしか選べない場合は、別の通貨で送るか、別の受取先を用意します。「たぶん大丈夫」で進めてよい場面ではありません。
出金の5段階フロー図。ネットワーク一致の確認から始まり、アドレス入力、少額テスト送金、メール承認、TXIDでの着金確認まで。
順序を守れば、取り返しのつかない失敗はテスト送金の段階で止まります。

テスト送金の手数料を惜しんで全額を一度に送り、チェーンを間違えて失う。この損失は毎回、節約しようとした手数料の何百倍にもなります。

本サイトの評価

手数料と最低出金額 — 送信前に画面で確認する

出金コストは通貨とネットワークで変わります。公式の案内として確認できている範囲を整理すると次のようになります。ただし実際に請求される額は出金画面に表示されるものが正です。ネットワークの混雑状況で変動する部分があるため、下の表は目安として扱ってください。

出金コストの構造(公式案内に基づく整理)
資産プラットフォーム手数料実際に負担するもの備考
ビットコイン(BTC)なしマイナーへのネットワーク手数料のみ混雑状況に応じて動的に決まる。少額出金では割合負担が重くなる
USDT(TRC-20)定額約1.5 USDTTronネットワーク経由。手数料が安く済むことが多い
USDT(ERC-20)定額約1.50米ドル相当Ethereumネットワーク経由
SOL定額約1米ドル相当Solanaネットワーク経由

← 横にスクロールできます →

最低出金額の落とし穴

各資産には最低出金額が設定されており、それを下回る残高は申請できません。手数料と最低出金額はどちらも出金申請画面に表示されます。残高が最低額に届かない場合、まだ取引ができる期間のうちに他の通貨へまとめるのが唯一の対処です。8月26日を過ぎるとこの整理ができなくなるため、端数の確認は今のうちに済ませてください。

ビットコインの出金についてはプラットフォーム側の手数料がかからない代わりに、ネットワーク手数料が全額利用者負担になります。数十ドル規模の少額を出金する場合、この負担が残高に対して無視できない割合になることがあります。複数回に分けて出金するより、一度にまとめて出金したほうがネットワーク手数料の総額は小さくなります。テスト送金を1回だけにする理由もここにあります。

着金しないときの切り分け

出金申請が通ったのに着金しない場合、原因はほぼ次の4つに分類できます。慌てて再送信すると二重出金になる可能性があるため、まず切り分けてください。

症状から原因を絞る
症状考えられる原因対処
出金申請が「保留中」のままメールでの承認が未完了登録メールを確認し、確認リンクから承認する。迷惑メールフォルダも確認
承認したがTXIDが発行されない取引所側の処理待ち・追加審査閉鎖期間中は審査が入る旨が公式に案内されています。時間をおいて確認
TXIDはあるが受取先に反映されないブロックチェーンの承認待ち、または受取先の反映遅延エクスプローラでTXIDを検索し確認数を見る。確認済みなら受取先に問い合わせ
エクスプローラで着金済みなのに残高に出ないネットワークの取り違え、または未対応トークン受取先が該当チェーンに対応しているか確認。取り違えの場合は復旧困難

← 横にスクロールできます →

問い合わせ先について

出金に関する問い合わせはBitMEXの公式サポート窓口だけを使ってください。SNSやチャットで先に声をかけてくる「サポート担当」はすべて詐欺です。またシードフレーズやプライベートキーの入力を求められた場合、相手が誰を名乗っていても100%詐欺です。当サイトは第三者の情報サイトであり、出金の代行や口座の復旧はできません。

出金した資金をどこに置くか

出金先の選択は2つに分かれます。自己管理ウォレットに移すか、別の取引所に移すか。どちらが正しいかは、その資金を今後どう使うかで決まります。

保管先の選び方
資金の用途推奨理由
当面売買しない保有分自己管理ウォレット取引所の破綻リスクを完全に切り離せる。今回のような事態の影響を受けない
近いうちに売買する分取引所自己管理から取引所へ戻す手間と手数料が、置いておくコストを上回る
まとまった長期保有ハードウェアウォレット秘密鍵をネットに接続された端末から物理的に切り離せる
少額・実験用どちらでもシードフレーズ管理の練習として自己管理を試す価値はある

← 横にスクロールできます →

カストディアルな取引所口座と自己管理ウォレットの比較図。鍵の所有者と、それぞれのリスクの種類。
取引所は銀行、自己管理は金庫。鍵を誰が持つかで、引き受けるリスクの種類が入れ替わります。

自己管理を選ぶ場合、シードフレーズを失えば復旧の窓口は存在しません。パスワードリセットのボタンがない世界に入るという意味を理解してから移してください。紙か金属板に手書きし、物理的に離れた2か所に保管する。スクリーンショットとクラウドメモは保管方法として数えません。この手順に自信がない段階では、破綻リスクを複数の取引所に分散させるほうが現実的です。

よくある質問

BitMEXの出金はいつまでできますか
公式発表では、2026年9月23日04:00 UTCの閉鎖後もログインして出金することは可能とされています。ただし残高を残すと月次で口座維持手数料(USD50相当または年率1%のいずれか大きい方)が発生し、出金需要の増加による遅延も予告されています。閉鎖前に完了させるのが合理的です。
出金手数料はいくらかかりますか
ビットコインについてはプラットフォーム手数料がなく、マイナーに支払うネットワーク手数料のみです。USDTはTRC-20で約1.5 USDT、ERC-20で約1.50米ドル相当、SOLは約1米ドル相当が案内されています。実額は出金申請画面に表示されるため、送信前にそこで確認してください。
出金にはどのくらい時間がかかりますか
平常時のビットコイン出金はメール確認後15分程度で完了すると案内されてきました。閉鎖期間中は出金需要の集中、ブロックチェーンの承認遅延、追加の出金審査により時間がかかる可能性が公式に告知されています。期限直前を避けてください。
ポジションを持ったままでも出金できますか
証拠金として拘束されている分は出金できません。先に建玉を決済して残高を確定させてください。2026年8月26日以降は新規建玉ができず縮小のみとなり、閉鎖時点で残っている建玉は強制決済されます。
ネットワークを間違えて送金した資金は取り戻せますか
原則として取り戻せません。異なるチェーン上のアドレスへ送られた資産は、送金元の取引所でも受取先でも技術的に復旧できないのが一般的です。だからこそ送信前のネットワーク確認と、少額でのテスト送金が必要になります。
最低出金額に届かない端数はどうすればよいですか
最低出金額を下回る残高は出金申請自体が通りません。まだ取引ができる期間のうちに、他の通貨へまとめて出金可能な単位にするのが唯一の現実的な対処です。2026年8月26日を過ぎるとこの整理ができなくなります。
ステーキング中のBMEXトークンも出金できますか
公式発表では、閉鎖時点で全てのステーキング中BMEXトークンは自動的にアンステークされ、保有者の口座で利用可能になるとされています。その後は他の残高と同様に出金対象となります。
出金のサポートをこのサイトに依頼できますか
できません。bit-mex.asiaはBitMEXとは無関係の第三者による情報サイトです。当サイトは口座を持たず、資産を預からず、出金の代行も行いません。出金操作は必ずBitMEXの公式サイトで、ご自身のアカウントから行ってください。

出典

数値はBitMEX公式サイトの公表値です。最新の情報は必ず公式サイトで確認してください。