BitMEXの手数料 — 閉鎖が決まったいま、実際に効くのはどれか

取引所が閉じると決まった時点で、手数料の話は「安いか高いか」から「これから何を引かれるのか」に変わります。このページは取引手数料の比較ではなく、閉鎖までとその後に実際に負担が発生する項目だけを、公式の公表内容を出典として整理したものです。

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いま効く手数料は3つだけ
  • 出金手数料 — 通貨とネットワークで変わる。BTCはプラットフォーム側の徴収なし
  • 口座維持手数料 — 閉鎖後、月額USD50相当または年率1%のいずれか大きい方
  • ファンディング — 建玉を持ち越している間だけ発生。決済すれば止まる
  • 取引手数料は8月26日の新規建玉停止で実質的に役目を終えます

いま負担が発生するのはどこか

「BitMEX 手数料」で検索してたどり着く情報の大半は、メイカー・テイカー手数料の比較表です。閉鎖が決まったいま、その表を読む実益はほとんどありません。2026年8月26日に新規建玉が止まり、9月23日に取引機能そのものが終わります。これから支払う可能性があるのは、次の3種類だけです。

閉鎖に向けて実際に発生する費用
費用いつ発生するか避けられるか
出金手数料資産を外に移すとき避けられない。ただし回数を減らせば総額は下がる
口座維持手数料閉鎖後、残高を置いたままにした場合閉鎖前に全額出金すれば発生しない
ファンディング無期限先物の建玉を持ち越している間決済すれば止まる
取引手数料売買したとき(〜8月26日)建玉を閉じる分は避けられない
強制決済の不利自分で決済しなかった場合自分で決済すれば避けられる

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表の最後の行は厳密には手数料ではありませんが、金額としては最も大きくなりうる項目です。強制決済では価格を選べません。板が薄くなった状態でのスリッページは、出金手数料の何十倍にもなり得ます。手数料を数ドル節約する話より、こちらを先に片付けたほうが金額の効きは大きいです。

取引手数料 — なぜ当サイトが数値表を載せないか

先に立場を明確にします。当サイトはBitMEXのメイカー・テイカー手数料の数値表を掲載しません。理由は2つあります。

  1. 当サイトが公式の料金表を独立に確認できていません。BitMEXの手数料ページは動的に生成されるため、第三者が内容を確実に取得できません。確認していない数字を「公式の料金」として並べるのは、出典のない情報を出典があるように見せる行為です。
  2. 第三者がまとめた手数料表は、古くなった時点で誤情報になります。手数料はティア(30日出来高)やトークン保有による割引で変わり、改定もされます。他サイトの数年前の表を写して掲載すれば、当サイトが誤情報の発信源になります。
手数料の実額を知る唯一の方法

あなたのアカウントに適用される実額は、ログイン後の手数料ページと、注文画面に表示される概算が唯一の正です。ティアは30日出来高で変わるため、他人に適用される率とあなたに適用される率は同じではありません。公式の料金ページで自分の適用ティアを確認してください。

構造だけ説明しておくと、BitMEXは他の主要取引所と同様にメイカー・テイカー方式を採っていました。板に注文を置いて流動性を供給する側(メイカー)が低く、板の注文を取って約定させる側(テイカー)が高い。商品カテゴリ(無期限先物・先物・現物)で料率が異なり、30日出来高に応じたティア制と、自社トークンBMEXの保有・ステーキングによる割引が併存していました。公式サイトでは閉鎖発表時点でテイカー手数料が最小0.0320%、BMEXステーキングによる手数料割引が最大75%と掲げられていましたが、これらはBitMEX自身の公表値であり、当サイトが検証したものではありません。

実務的な話をすると、いま取引手数料が問題になる場面は一つだけです。建玉を閉じるときのテイカー手数料です。成行で一気に閉じればテイカー料率がかかり、さらにスリッページが乗ります。指値で待てば料率は下がりますが、約定しないまま期限を迎えるリスクを負います。この判断については別ページで詳しく扱っています。

出金手数料 — いま最も現実的な費用

公式の案内として確認できている範囲では、出金コストの構造は次のようになっています。実額は出金申請画面に表示されるものが正で、ネットワークの混雑状況で変動する部分があります。

出金コストの構造(公式案内に基づく整理)
資産プラットフォーム手数料実際に負担するもの備考
ビットコイン(BTC)なしマイナーへのネットワーク手数料のみ混雑に応じて動的に決定。少額出金では割合負担が重くなる
USDT(TRC-20)定額約1.5 USDTTronネットワーク経由。比較的安く済む
USDT(ERC-20)定額約1.50米ドル相当Ethereumネットワーク経由
SOL定額約1米ドル相当Solanaネットワーク経由

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ビットコインについては、プラットフォーム側が手数料を取らない代わりにネットワーク手数料が全額利用者負担になります。ここから実務上の結論が2つ出ます。

出金コストを下げる2つの原則
  • 回数を減らす。ネットワーク手数料は送金1回ごとにかかります。3回に分けるより1回でまとめたほうが総額は小さくなります。テスト送金を1回だけにする理由もこれです。
  • チェーンを選ぶ。同じUSDTでもネットワークによって定額手数料が違います。受取先が複数のチェーンに対応しているなら、安いほうを選べます。ただし安さのためにネットワークを取り違えるのは本末転倒です。受取先が対応していないチェーンを選んだ時点で、節約した1ドルのために全額を失います。

もう一つ費用として意識すべきなのが最低出金額です。これを下回る残高は出金申請そのものが通りません。手数料ゼロで放置されるのではなく、閉鎖後は口座維持手数料の対象になって削られていきます。つまり最低出金額を下回る端数は、実質的に「出せないのに課金される残高」になります。取引ができる8月26日までに、他の通貨へまとめて出金可能な単位にしてください。

口座維持手数料 — 唯一、完全に避けられる費用

公式発表によれば、閉鎖後もKYC済みの口座に残高がある場合、月次で「USD50相当」または「年率1%」のいずれか大きい方が請求されます。出金が完了しないまま時間が経過した場合、手数料が引き上げられる可能性も予告されています。

この費用の性質は他の手数料と決定的に違います。出金手数料は資産を動かす対価ですが、口座維持手数料は何もしないことに対する課金です。そして閉鎖前に全額を出金しさえすれば、一円も発生しません。5つ挙げた費用のうち、完全に避けられるのはこれだけです。

残高別に見た負担率(下限USD50が適用される場合の概算)
残高年率1%相当実際に効く基準1年間の負担率
USD 300USD 3定額USD50半年ほどで残高が消える
USD 2,000USD 20定額USD50年30%
USD 10,000USD 100定額USD50年6%
USD 60,000USD 600ほぼ分岐点年1%
USD 200,000USD 2,000年率1%年1%

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表を見て気づいてほしいのは、負担率が残高に反比例することです。下限が定額なので、残高が小さいほど率としては重くなります。数百ドルの残高を「金額が小さいから後で」と置いておくのが、率で見れば最も損な選択になります。

課金の細部について

月次の課金がどの日付で発生するか、率と定額をどの時点で比較するかといった運用の細部は、公式の案内が優先されます。当サイトの表は「下限が定額で効く」という前提での概算です。実際の請求条件はBitMEX公式発表と、登録メールアドレスに届く案内で確認してください。

ファンディング — 手数料ではないが持ち越しコスト

無期限先物では、契約価格を現物価格に近づけるためにファンディングレートが定期的に授受されます。厳密には取引所が取る手数料ではなく、ロング側とショート側のあいだで受け渡される調整金です。ただし建玉を持ち越す人にとっては、実質的にコスト(あるいは収入)として効きます。

閉鎖に向けた局面で注意すべきなのは、参加者が減るとこの均衡機構が弱まる点です。契約価格が現物価格から乖離した状態が長引きやすくなり、ファンディングが平常時のレンジを外れることがあります。ロングを持ち越している場合、支払いが想定より膨らむ可能性があります。

対処は単純です。建玉を決済すれば、その時点でファンディングの発生は止まります。8月26日以降は縮小しかできず、9月23日には強制決済されるため、持ち越せる期間そのものに上限があります。

請求されるはずのない「手数料」 — 詐欺の見分け方

取引所の閉鎖局面で最も金額の大きい被害は、実は手数料の話から始まります。「出金を解除するために手数料の前払いが必要」という要求は、例外なく詐欺です。

仕組みはこうです。正規の出金手数料は出金額から差し引かれます。あなたが別途どこかに送金する必要はありません。ところが詐欺は「凍結解除料」「税金の前払い」「本人確認の保証金」といった名目で、外部のアドレスへ先に送金させようとします。名目は変わっても構造は同じで、手数料を払うために追加で送金させるという点が共通します。

手数料に関する4つの原則
  • 正規の手数料は出金額から自動的に差し引かれる。別送金は不要
  • 「解除料」「保証金」「税金の前払い」という名目の手数料は存在しない
  • 手数料の実額は出金申請画面に表示される。メールやチャットで通知されるものではない
  • 手数料の支払い先として個人のウォレットアドレスを案内されたら詐欺

もう一つ、閉鎖に便乗した典型があります。「未払いの手数料があるため口座が凍結されている」という連絡です。実際の口座維持手数料は残高から差し引かれるもので、あなたが振り込むものではありません。残高より手数料が大きくなれば残高がゼロになるだけで、追加請求されて凍結されるという仕組みではありません。

手数料を払うために送金してください、と言われたら、その時点で相手が誰であっても会話を終わらせてよい。正規の手数料は、あなたが動かす資産の中から引かれる。

本サイトの評価

結局いくらかかるのか — 全額を持ち出すまでの総額

残高を全部持ち出すまでにかかる費用を、順番に足すとこうなります。金額の桁が違うので、どこに注意を向けるべきかがはっきりします。

全額を持ち出すまでの費用の内訳(概念的な整理)
項目金額の目安効き方
建玉決済のテイカー手数料約定額に対する率数量が大きいほど効く
決済時のスリッページ板の厚みによる期限に近づくほど大きい。最大の変動要因
テスト送金の手数料1回分数ドル程度。保険として妥当
本送金の手数料1回分数ドル程度。回数を減らせば下がる
口座維持手数料月額USD50相当以上期限内に出金すればゼロ

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ここから導かれる優先順位は明確です。手数料を数ドル節約する工夫より、スリッページと口座維持手数料を潰すほうが桁で効きます。具体的には、板が厚いうちに自分で建玉を閉じること、そして期限内に全額を出金しきること。この2つを済ませれば、残る費用は送金手数料の数ドルだけになります。

よくある質問

BitMEXの取引手数料はいくらですか
当サイトは数値表を掲載していません。手数料はティア(30日出来高)やトークン保有による割引で変わり、当サイトは公式の料金表を独立に確認できていないためです。あなたに適用される実額は、ログイン後の公式手数料ページと注文画面の表示で確認してください。なお2026年8月26日に新規建玉が停止し、9月23日に取引機能が終了します。
出金手数料はいくらかかりますか
ビットコインについてはプラットフォーム側の手数料がなく、マイナーに支払うネットワーク手数料のみです。USDTはTRC-20で約1.5 USDT、ERC-20で約1.50米ドル相当、SOLは約1米ドル相当が案内されています。実額は出金申請画面に表示されるため、送信前にそこで確認してください。
閉鎖後に手数料がかかりますか
かかります。KYC済みの口座に残高が残っている場合、月次で「USD50相当」または「年率1%」のいずれか大きい方が請求されます。出金が完了しない場合の引き上げも予告されています。閉鎖前に全額を出金すれば発生しません。
残高が小さければ手数料も小さいですか
逆です。口座維持手数料は下限が定額(USD50相当)なので、残高が小さいほど負担率が高くなります。残高USD2,000なら年30%、USD10,000なら年6%、USD200,000なら年1%です。少額の置き忘れが率としては最も損になります。
出金手数料を安くする方法はありますか
送金回数を減らすこと、そして受取先が対応しているチェーンのうち手数料の安いものを選ぶことです。ただし安さを理由にネットワークを取り違えると全額を失うため、対応の一致確認が優先です。
最低出金額を下回る残高はどうなりますか
出金申請自体が通りません。放置すると閉鎖後は口座維持手数料の対象になり削られていきます。取引ができる2026年8月26日までに、他の通貨へまとめて出金可能な単位にしてください。
出金するのに手数料の前払いを求められました
詐欺です。正規の出金手数料は出金額から差し引かれるもので、あなたが別途どこかに送金する必要はありません。「凍結解除料」「税金の前払い」「保証金」という名目の手数料は存在しません。個人のウォレットアドレスへの送金を案内された場合も同じです。
ファンディングは手数料ですか
厳密には取引所が取る手数料ではなく、無期限先物のロング側とショート側のあいだで受け渡される調整金です。ただし建玉を持ち越す人には実質的なコストとして効きます。建玉を決済すれば発生は止まります。

出典

数値はBitMEX公式サイトの公表値です。最新の情報は必ず公式サイトで確認してください。